電験三種は、電気主任技術者として従事するために必須の資格です。
今回は、この電験三種の科目でも難しいとされる機械分野に着目し、その難易度や試験内容、合格方法について解説していきます。
1. 電験三種の機械とは
まずは、電験三種の機械分野について概要から簡単に解説していきます。
電験三種の機械分野は、主に電動機や発電機と呼ばれる電気機械や照明、自動制御、電動機応用などの幅広い分野を対象とした科目となっています。
2. 機械分野が難しいと言われる理由
機械分野が難しいと言われる理由としては、主に以下の3点があります。
- 出題分野が広い
- 理論の知識が前提となる
- 機械のイメージが難しい
それでは、それぞれの内容について説明いたします。
2.1 出題範囲が広い
出題範囲としては、複数の電気機械や多岐に渡る電気の応用事例など幅広く様々な知識が求められます。
そのため、学習期間が長くなり試験までに全てをカバーすることが困難となることが多く、難しいと言われる要因の一つとなります。
2.2 理論の知識が前提となる
機械分野は、理論分野の基礎を前提とした問題が多く、特に電磁気や電気回路を理解していなければ解くことができません。
そのため、応用という扱いとなり一般的に難しいというイメージを持たれています。
2.3 実機のイメージが難しい
理論や法規とは異なり、機械分野は実際に使用される機械を扱っています。
そのため、実際に機械に触れたことがない人は電気の理論的な動きだけでなく、機械の物理的な動きのイメージが困難であり、問題を解く上での障害となっています。
3. 機械分野の合格率
機械分野の直近の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
2022下期 | 14.9% |
2022上期 | 6.9% |
2021 | 13.8% |
2020 | 6.7% |
2019 | 20.1% |
2018 | 13.8% |
2017 | 11.6% |
2016 | 17.0% |
2015 | 6.2% |
2014 | 10.4% |
機械分野の合格率は、試験毎に易化・難化という傾向があり、ばらつきがあります。
そのため、直近でも10%未満から10%半ばという大きな開きがあります。
いずれにしても合格率は大半が20%を下回っているため、難易度の高い試験です。
参考資料:プレスリリース一覧 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター (shiken.or.jp)
https://www.shiken.or.jp/press/
4. 機械分野の試験内容と試験問題
機械分野の試験内容や試験問題について解説していきます。
4.1 試験内容
機械分野では、一般的に電気機械と電力応用と呼ばれる2種類の分野から出題されます。
電気機械では、変圧器、直流機、誘導機、同期機、パワーエレクトロニクスの4分野が対象となっています。
電力応用では、照明、電気加熱、電動機応用、自動制御、電気化学、情報処理の6分野が対象となります。
4.2 試験問題
試験問題は、いずれも選択式となっており、A問題とB問題で構成されています。
A問題は全14問で配点が5点となっています。
B問題は全4問で、1問が(a)と(b)の2つの問題で構成されており、配点は(a)と(b)それぞれが5点となっています。
また、B問題の3問目及び4問目はどちらかを選んで解答することになります。
5. 機械分野を合格するには
ここでは機械分野に合格する方法について解説します。
上述の通り、機械分野は事前知識が必要で範囲が広いなど難易度が高くしっかりと対策をしなければいけません。
その際には以下の点に着目することをおすすめします。
- 科目合格制度の活用
- 頻出問題の網羅
- 易化・難化傾向の予想
それでは、それぞれの内容について解説していきます。
5.1 科目合格制度の活用
電験三種は、理論、電力、機械、法規の4分野で構成されており、各分野に合格することで次年度及び次々年度まで試験が免除されます。
そのため、1年目と2年目に機械以外の分野に合格することで機械分野に多くの時間を割くことができます。
5.2 頻出問題の網羅
機械分野は範囲が非常に幅広いことが特徴ですが、例年の傾向を確認すると頻出する問題があります。
具体的には変圧器、直流機、誘導機、同期機は高頻度で出題されるため、この問題を網羅することが重要となります。
また、計算問題では公式の理解が必須となりますのでしっかりと暗記しておきましょう。
上記の点を踏まえて試験に挑戦してください。