有効電力

ゆうこうでんりょく

 

有効電力とは、電気回路において有効に利用可能な電力のことを指します。直流回路ではすべての電気が有効電力になり、交流回路では負荷で接続された有効分の電力のことを指します。記号は「P」が使われ、単位は「W」です。

交流回路において、負荷にかかる電圧がV(V)、負荷に流れる電流がI(A)、電圧と電流の位相差をθとしたとき、有効電力Pを求める式は以下の通りです。

P=VIcosθ(W)

このとき、cosθは力率と呼ばれます。力率は言い換えると、回路に供給された電力がどれだけ有効に働いたかを表すもので、力率が1に近いほど電力が有効に働いているということです。

例えば、電圧100V・電流10Aの交流回路の負荷にかかる理論的な電力は、100×10=1,000Wです。ただし、力率が80%であれば、1,000×0.8=800Wとなり、この800Wが有効電力と呼ばれます。

また、交流回路において有効電力以外にも無効電力・皮相電力があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

無効電力:皮相電力の中で負荷の消費に関係しない電力のこと:Q=VIsinθ
・皮相電力:電圧の実効値と電流の実効値を掛け合わせたもの:S=VI

電験三種の計算問題で登場しやすい問題なので、重点的に対策したい内容といえるでしょう。

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