電気主任技術者として独立するためには、定められた要件を満たす必要があります。独立・開業できれば、自由な働き方で高い収入を目指すことが可能です。
この記事では、電気主任技術者の独立・開業について詳しく解説します。独立の条件や平均年収、メリットや注意点などをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 電気主任技術者でフリーランスになるための条件
フリーランスの電気主任技術者を目指す場合、誰でも簡単になれるわけではありません。フリーランスとして働くには、以下の条件を満たしておきましょう。
- 電気主任技術者免状の交付を受けていること
- 電気主任技術者としての実務経験を一定年数積んでいること
- 仕事に必要な機械・器具を保有していること
- 保安管理業務をおこなう事業場が一定の条件を満たしていること
- 保安管理業務を支障なく実行できること
- 取消しを受けてから2年以上経過していないこと
出典:公益社団法人 東京電気監理技術者協会「電気監理技術者が具備すべき要件」
https://www.eme-tokyo.or.jp/installation/consignment/requirement.php
フリーランスになるための条件としての具体的な記述は「公益社団法人 東京電気監理技術者協会」がおこなっています。電気主任技術者として独立をお考えの方は、条件を満たせているかどうかを確認しておきましょう。
2.独立した場合の平均年収
電気主任技術者として独立した場合の平均年収は、取得している資格や業績によって異なる傾向です。電験三種から電験一種までの企業での給与所得者の年収相場について、以下をご覧ください。
- 電験三種:400〜450万円
- 電験二種:400〜700万円
- 電験一種:550〜800万円
日本人の平均年収は458万円(国税庁 令和4年分「民間給与実態統計調査」より1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与)であるため、電験三種から電験一種の全体で平均以上の年収を目指せることがわかります。
当協会では電気主任技術者として独立している方に向けてお仕事の紹介を行っておりますが、最大1,000万円の年収は目指せる傾向です。将来的にどのような働き方を実現したいかで異なりますが、電気主任技術者として独立を目指す価値は十分にあるといえるでしょう。
3. 独立開業するメリット
電気主任技術者として独立・開業するメリットは、主に以下の3つです。
- 働き方が自由
- 誰と働くかを選ぶことができる
- 定年がない
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
3.1. 働き方が自由
電気主任技術者として独立・開業した場合、働き方に制限がありません。働きたい時間帯や日時を自由に調整して仕事に従事できます。
例えば、夜勤や早朝出勤、仕事量が多い方であれば働き方に不満を感じる可能性があります。働き方に満足できていなければ、仕事に対するモチベーションの低下につながります。
一方で、独立・開業を成功できれば仕事を選べるのが特徴です。雑務や時間の制限から解放されるため、満足のいく仕事スタイルを実現できるでしょう。
3.2. 誰と働くかを選ぶことができる
電気主任技術者が集まる企業に就職して働く場合、人間関係の悩みはかかせません。一人でおこなえる点検が多いとはいえ、点検の内容によってはほかの技術者と連携をとっておこなう場合もあります。
独立・開業して働く場合、誰と働くかを自由に選べるのがメリットです。人間関係の悩みから生じるストレスを防げるため、仕事のモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
3.3. 定年がない
独立・開業して電気主任技術者の仕事に従事する場合、定年なく働けるのもメリットです。多くの企業では、60歳・65歳を定年としており、定年を迎えたら退職しなければなりません。
- 休日の配分
- 仕事する時間帯
- 日本人の平均年収458万円以上を目指せる労働環境
独立・開業を成功させると、上記のように自由な働き方を実現できます。できるだけ長く仕事して収入を得たいと考えている場合にも向いているといえるでしょう。
4.独立する際の注意点
電気主任技術者として独立・開業することによるメリットが多い一方で、注意点も存在します。ここでは、独立する際の注意点を詳しく解説します。
4.1. 営業力が必要
独立・開業して電気主任技術者の仕事をおこなう場合、技術的な知識・経験以外にも営業能力やマーケティング能力が必要です。独立する場合は、案件を自分で見つけたり維持したりしなければなりません。
また、誰と働くかを自分で選べるとはいえ、良質な人間関係を保つためのコミュニケーション能力も欠かせません。複数人で点検作業をおこなう場合は、適切なコミュニケーションを取りながら連携することが大切であるためです。
技術者としての経験や知識以外にも求められる能力があることを把握しておきましょう。
4.2. 技術力で信用が決まる
独立した個人事業主は、最初の段階で企業ほどの信頼を得られるわけではありません。法律をもとに厳しく運営されている法人などと比較すると、信頼性が劣るためです。
そのため、個人事業主の電気主任技術者は技術力で信用が大きく決まります。先ほどご紹介した営業能力やコミュニケーション能力は、企業と競争できる高い技術力を有してから求められるものなので、まずは経験を積んで技術力を高めましょう。
5. 独立して案件を獲得する方法
電気主任技術者の独立を目指す場合、難しいのは独立してからの案件獲得です。ここでは、独立して案件を獲得するための3つの方法をご紹介します。
5.1. 営業経験、人脈を作っておく
独立する前に実務経験を積んだ企業で営業経験や人脈を作っておくことが大切です。独立したあとは、自分自身で営業して案件を獲得する必要がありますが、人脈を事前に作っておけば案件を紹介してもらえる可能性があります。
また、同業者とのつながりをこれから作りたい方は電気管理技術者協会に登録するのもおすすめです。
電気管理技術者協会は、電気主任技術者の技術向上を目的に集まった団体のことで、登録すれば同業者とのつながりができるだけでなく、案件を紹介してもらえる可能性があります。
自分に適した方法で、独立前の人脈作りに力を入れましょう。
5.2. 転職エージェントを利用する
自分で営業を行ったりコミュニケーションが苦手と感じたりする方は、転職エージェントの利用も1つの方法です。転職エージェントによっては、独立して働く方に向けた案件紹介サービスが提供されているため、うまく活用することで案件を獲得できるでしょう。
ほかにも、営業代行サービスに相談して営業面でのアドバイスを受ける方法もあります。苦手とする営業業務をプロに任せることで、効率よく案件の獲得を目指せます。
独立してから安定した収入を得るまでには数ヵ月~数年の期間を要するため、転職エージェントや営業代行サービスをうまく活用してスムーズに案件を獲得しましょう。
5.3. JHK(日本電気設備保安協会)に登録する
電気主任技術者の求人をお探しの方は、JHK(日本電気設備保安協会)に登録するのがおすすめです。JHKは、技術者が働きやすい組織を目指し、20代から60歳以上までの幅広い世代の方が活躍できるようサービスを提供しております。
一般的な転職エージェントとは異なり、電気管理技術者協会として電気主任技術者の方に特化した求人を提供しているのが特徴です。相談・お問い合わせは無料で、応募はいつでも受け付けておりますので、ぜひ利用をご検討ください。
JHKでは、関東圏及び、大阪府で積極採用しております。
6. まとめ
この記事では、電気主任技術者の独立・開業について詳しく解説しました。電気主任技術者の独立・開業を成功させると、これまでよりも自由な働き方や高い収入を期待できます。
ただし、電気主任技術者の独立・開業には、実務経験を満たしたり電気主任技術者免状を取得したりなど条件を満たす必要があります。技術者としての知識・経験以外にも、営業能力やコミュニケーション能力などが必要です。
当協会では、電気主任技術者として独立・開業された方に向けて案件を提供しております。幅広い年代の電気主任技術者が活躍できるようサポートしておりますので、ぜひ利用をご検討ください。