でんしのうんどうえねるぎー
電子の運動エネルギーについて把握するために、まずは電子の特性を理解することが大切です。陰極（マイナスに接続された電極）と陽極（プラスに接続された電極）が設けられた並行平板電極にV（V）の電圧がかけられていることを想定したとき、電子の特性は以下のようになります。
・電子は電界の向きと反対向きに力を受ける
・電子は加速しながら陽極側に移動する
まず、電子を陰極側に置いた場合、電子のエネルギーは以下の計算式で算出できます。
E1＝eV（J）
※E1：電子の位置エネルギー、e：電子の電荷、V：電位差
陰極側に置いた時点では電子に速度がないため、運動エネルギーは生じません。一方で、陽極側についた電子のエネルギーは、以下の計算式で算出できます。
E2＝1/2×mv²
※E2：電子の運動エネルギー、m：電子の質量、v：電子の速度
陽極側についたときの位置エネルギーはゼロなので、電子の運動エネルギーが電子の持つエネルギーの総量といえます。エネルギー保存の法則によって物体が持つエネルギーの総量は保存される（変わらない）ため、電子のエネルギーの総量は、電子の位置・運動エネルギーを足すことで求められます。